国立大蔵病院薬剤科へようこそ
処方箋に基づいて薬をつくる仕事です。
一人一人症状が違うように、処方も違っています。薬剤師は一日も早く患者さんの病気が治るよう、安全に正確に処方通りに薬を調剤するために細心の注意を払っています。
1.薬袋を作ります
2.処方箋にそって薬を作ります
3.薬が処方どおりにできているか、その内容も含めてチェックします
4.患者さんに薬を渡します
当院の内科病棟では、入院された患者さんのベットサイドに担当の薬剤師が服薬説明に行きます。
どの様な作用の薬か、どんな副作用があるのか、ほかの薬と一緒に飲むときの注意等、薬についてのお話をさせていただきます。薬剤師が医師、看護婦と共に患者さんに処方される医薬品の有効性および安全性を確保するために働いています。
また知りたいこと、薬で不安に思っていることなど話していただき、患者さんが安心して薬を飲んでいただけるよう努力しています。
薬は、正しい情報があってはじめて『薬』として私達の病気を治療したり、健康を守るための手段となり得ます。
薬が発売された後も、新たな作用が発見されて他の病気の治療にも使えるようになったり、また逆に重大な副作用が発見されて使用が制限されたり、時には使用中止となったりすることもあります。多種類の薬を使う現状から考えると薬の飲み合わせによる相互作用も、大変重要な情報です。
薬に関する情報は、まるで洪水のように押し寄せてくると言っても大げさではありません。医薬品情報室では、医薬品に関する情報を一括整理して医療スタッフに提供しています。
製剤では薬を作っています。どのようなところかご案内します。
(精製水製造装置の写真)
大きなタンクで水を沸騰させ、出てきた蒸気を冷やしガラス瓶に貯めます。不純物の入らない水ができます。薬を溶かしたり、薄めるときなどに使います。
(クリーンベンチの写真)
細菌のいないテーブルの上で薬を作っています。テーブルの上から吹き出す空気がとてもきれいなのです。患者さんが使うまできれいな薬のままです。
(オートクレープの写真)
機械の中にたたみ1畳ほどの部屋があります。あらかじめ作っておいた薬(ガラス瓶などに入れたもの)を入れ、その中を水蒸気で満たし、温度を115度にして細菌を殺します。30分ほどですべての細菌が死にます。これもまた、きれいな薬が患者さんのところへ届くようにするためです。
(水蒸気を使うことが多い部屋なので冬はとても暖かい部屋ですが夏はエアコンもなく・・・)
内服薬は飲んだあと胃でとけて腸から吸収されると血液の中へ入って効果を現します。同時に肝臓で少しずつ分解されて尿と一緒に体の外へ出ていきます。その道すじは複雑なので人それぞれ効き目は違ってきます。同じ体格の人が同じ量のお酒を飲んでも、酔っぱらいかたが違うのと同じです。現在ではいくつかの薬については血液中の濃度を測定し、治療に役立てています。また、薬は人の命に直接かかわるものなので、その品質に間違いがあってもいけません。薬剤科にはこのようなことを試験・検査したり、研究する設備があり、活用されています。
今日、病院には千種類以上の薬が備えられ、新薬も次々と使用されています。患者さんの生命を守る薬の有効性と安全性を高めるために、薬剤師は薬の情報を常に習得し、臨床の現場に提供していかなければなりません。当院では薬学部大学生及び大学院生の実習指導、地域薬剤師の卒後研修、また付属看護学校学生に対して薬理学の講義も担当し、患者さんのよりよい診療に貢献するための教育活動を行っています。