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6. こんな体調トラブルが・・・


悪露がいつまでも赤い−子宮復古不全

血液に近い色は血性悪露といって、ふつう産後3日くらいまで。10日以上たっても血が混じった色をしている時は子宮復古不全が疑われます。これは、子宮の収縮が弱いか、中にまだ胎盤の一部が残っていて、子宮の回復が遅れている状態です。あるいは、子宮頸管に血の固まりが詰まり、悪露が出にくくなっていることもあります。分娩の時、陣痛が弱かった人、多胎妊娠や、羊水過多で出血が多かった人、帝王切開した人などに起きやすく、細菌感染から産褥熱を起こすこともあります。

高熱がでる−産褥熱、腎盂炎

お産の時に子宮や膣にできた傷に細菌が入って化膿し、それが原因で起こるのが産褥熱です。炎症の場所によって外陰炎、膣炎、子宮内膜炎などと呼ばれます。抗生剤、安静、栄養が治療の基本です。もうひとつの疑いは、腎盂炎です。大腸菌などが腎臓に侵入すると、この病気になります。出産前に、カテーテルで尿をとる時に感染しがちで、抗生剤と安静が治療の柱です。細菌を早く追い出すために、水分をたくさんとることも有効。慢性になりやすいので、医師の指示によくしたがってください。

 

排尿の時痛む−膀胱炎

頻繁に尿意を催すのに出る量がほんの少し、あるいは排尿の時しみるような痛みがある、そんなときは膀胱炎が疑われます。膀胱の粘膜は分娩時の圧迫で傷つきやすく、さらに出産後は一時的ですが尿が出にくくなるので、細菌が繁殖しやすいのです。抗生剤の投与はもちろんのこと、排尿をがまんしない、悪露の手当をきちんとするなど、予防が大切です。

 

尿にタンパクが混じる−妊娠中毒症後遺症

妊娠中毒症の人で、産後もタンパク尿が続く時は、妊娠中毒症後遺症の疑いがあります。妊娠中毒症は、産後自然に治るものですが、重症の場合は症状が残ることもあります。放置すると、次の妊娠の時に重い症状がでたり、高血圧や慢性腎炎になりやすいので、産後の検査は必ず受けてください。食事制限を守り、安静にすることです。1、2度くらい微量のタンパクが出た程度なら心配はないでしょう。

 

乳房がはれて痛む−乳腺炎

初産の人に多く、乳首の傷から細菌が入ったり、乳腺にお乳がたまっておきる炎症が、乳腺炎です。軽症なら抗生剤を投与し、残乳を完全にしぼって冷湿布します。発熱があり、化膿している場合は、切開して膿をだす場合があります。乳腺炎の時は、授乳はひとまず中止します。予防法としては、授乳の前後に手と乳房をよく消毒しブラジャーとパッドはいつも清潔に保つ、授乳後は残乳をよくしぼって乳房を空にする、乳首の傷を防ぐ、授乳時間を1回15分〜20分をめどに短くすることです。

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