外来の裏話

カルテNo,11 医師が刑を決められる?

患者
46才の組長
主訴
不眠と肝硬変とかゆい
ストーリー
食道静脈瘤を合併した肝硬変で治療中の当院の患者さんが捕まったらしい。 某警察から注射に連れていきたいとの連絡があり,びっくり。 罪名は覚醒剤の売買容疑らしい。 一般の患者さんに配慮し,診察時間を避ける事,パトカ-での来院は不可を条件に診察に 応じる事にした。 当然ながら,3人の警察官に囲まれ,手錠と縄でつながれている。 しばらく続いていたが,ある日検事さんから電話があった。 質問の内容は何日ぐらいの拘置に耐えられるか?であった。 いつ吐血するかわからないので2週間位と返答した。 偶然かも知れないが,2週間後いつもの通り,一人で通院してきた。
考察
医師は国民の健康を守り,警察は国民の治安を守る。 国民の為に働いている面では共通しているが,大きく違う点は 一つ 医師は国立病院の医師以外は国から給料が貰えない。 二つ 医師が警察から協力を求められる事は多いが, 警察が医師から協力を求められる事はない。 そこで,提案 飲酒運転については自分の体は自分で分かります。 ちゅうしゃの場所はすべてお任せ下さい。