外来の裏話

カルテNo,38 入れ墨を消したい

患者
26才の公務員
主訴
入れ墨を消して欲しい
ストーリー
「若い時つい......」右腕に立派な龍が鮮やかであった. 「レ-ザ-治療で消えます」本人は喜んで「是非,何とかお願いします」 数回のレ-ザ-の治療で数ヶ月後に消えた.
考察
最近はこの種の相談が多いが,半袖を着る仕事とか固い仕事をする事になったからの場合が多い. 入れ墨を入れるときは一つの流行だから先の事は全く考えない. 一番やっかいなのは目の周りのアイラインの入れ墨であろう. レ-ザ-治療が場所がらやっかいで他の医院からも断られる事が多い. まゆげもまつげもしばらくは生えないし,前髪と帽子で隠すにも限界がある. 若い男にも少なくない. 深刻な問題は中高年の方の入れ墨. 昔は消毒の概念も感染の概念もなかったので,肝炎から肝硬変に移行していく事が多い. 新しい治療法のレ-ザ-があるとは言え,入れ墨は入れるのは簡単,消すのは困難である. 入れるのに数千円,消すのに数万円から数十万円である. 入れるのに数分,消すのに数ヶ月である.