外来の裏話
カルテNo,52 離婚を考える患者のお話
- 患者
- 30才代後半から40才代前半の中年男女
- 主訴
- 妄想性人格障害
- ストーリー
- 最近離婚が増えつつあるが、そんな傾向の中で新しい発見がある 家族として何をすべきかを考える前に、夫から何を利用すべきかを考える
「先生、私はパツイチです」と中年の男性から言われると必ず見せる診断基準がある
根拠がないのに利用された、騙されたと勘違いする
誠実さや信頼を不当に疑う
情報が不利に利用されると言う根拠のない不安から秘密を打ち明けられない
悪意のない言葉や出来事の中に自分がけなされていると勘違いする
傷つけられたこと、軽蔑された、侮辱されたことをいつまでも怨む
そのくせに自分のことについて言われると逆襲する
配偶者や性的伴侶にたいして度を過ぎるやきもちをやき、私物を調べる
驚いて、彼らはこれらの殆どが別れた奥様に当てはまると言う
では、嫉妬と猜疑心を二本柱にしているこの疾患は一体なんだろう
幼い頃の親子関係に起因していて親離れが進んでいない事と関係があるらしい
家族の問題を次々と引き起こし、周辺に迷惑をかける
家庭問題に由来する事から子供も類似の精神的な問題を抱える
病識を持たせる事が出来ず、医師は寛容にならないように扱うべきである。
抗精神薬・安定剤が必要だが、そのことすら認めようとせず、臨床では最も困るタイプの一つ
殆どの症例で1人子か長女で自信過信が目立ち、親離れが不十分である
- 考察
- 嫁を選ぶ時にはその母親を見て考えろとはこの事かも知れない。 勘違いが分かっても認めようとしない、自分が絶対正しいと思い込むから訴訟が好きな症例でもある