
性感染症内科
性感染症内科
性的接触(性交やオーラルセックスなど)を介して感染していく疾患の総称を性感染症(STD)と言います。
性感染症には古典的な梅毒や淋病のほか、クラミジア感染症、HIVや肝炎などウィルス感染症があります。
性器の腫れや痒み、あるいは臭いが気になる、排尿痛がある、おりものが増えた、外陰部に痛みがあるといった症状に対して思い当たる節があるという方は、躊躇することなく検査をお受けください。
検査の結果、性感染症による個々の疾患であると診断された場合、その疾患の治療を行います。
以下に、代表的な性感染症をいくつかご説明します。
クラミジア
クラミジアはクラミジア・トラコマチスという細菌の感染で、日本で最も多いSTIの一つで、20~30歳の若年層に多くみられます。
性行為あるいは性行為に類似する行為(オーラルセックス、アナルセックス)によって感染し、性器に感染すると男性はクラミジア性尿道炎、女性はクラミジア性子宮頸管炎、喉(のど)に感染すると咽頭クラミジアになります。
男性の場合、軽い尿道の違和感や不快感、排尿痛、尿道から少量のサラサラした分泌液がでるなどの症状があります。
女性の場合は、おりもの(帯下)の増加や悪臭、お股(外陰部)のかゆみなどの症状があります。
女性は男性に比べて、自覚症状が少ないことで感染していることに気付かないケースも多く、妊娠時や不妊治療などで発見される場合もあります。
淋菌
淋菌はクラミジアと同様に日本で最も多いSTIの一つです。感染経路も同じで、淋菌とクラミジアの両方に感染していることも少なくはありません。性器に感染すると男性は淋菌性尿道炎、女性は淋菌性子宮頸管炎、喉(のど)に感染すると咽頭淋菌になります。
尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマはヒト乳頭腫マウイルス(HPV)6・11型などのウイルスの感染で発症します。感染すると性器や肛門周囲にカリフラワーのようなイボ(乳頭腫)が出現します。イボ以外に痛みなどの自覚症状が伴わないことが多く、放っておくとイボがどんどん増殖し、サイズも大きくなってしまいます。再発率が高く、外用薬やレーザー照射などを組み合わせたイボの除去を行います。
性器ヘルペス
性器ヘルペスは単純ヘルペスウイルス(HSV)に感染することで発症します。感染すると性器やその周囲に赤い水疱(水ぶくれ)やただれ(びらん)が出現します。また神経痛を伴うため陰部(デリケートゾーン)に激しい痛みを自覚されます。
治療としては、抗ヘルペスウイルス薬の軟膏や内服薬を使用しますが、一度ヘルペスに感染すると治療を行っても完全にウイルスを死滅させることができず、神経(脊髄神経節)に潜伏しています。疲労やストレス、免疫力の低下などがトリガーとなってウイルス増殖につながり再発を繰り返すことがあります。
1年間に6回以上再発する場合には、抗ヘルペスウイルス薬を用いた再発抑制療法があり、再発抑制療法を行った場合は再発リスクを大幅に下げることができます。
性器カンジダ症
性器カンジダ症は、真菌(カビ)であるカンジダ菌に感染・増殖することで発症します。もともとカンジダは口腔、消化管、腟、皮膚の常在菌であり、健康な女性の30~50%の腟内に常在しているといわれています。
女性の場合、疲労やストレス、免疫力の低下、抗菌薬使用などでカンジダ菌が異常に繁殖することが原因で、ホルモンバランスの変化にも影響され生理前に発症しやすいです。カンジダ膣炎の症状としてカッテージチーズ状(酒糟状)の帯下(おりもの)が増え、外陰部や腟のかゆみと灼熱感などがあります。
一方で男性の場合、女性との性行為によって感染し、症状としては亀頭のかゆみや発赤、軽い排尿痛が出現します。性器カンジダ症は、女性の方が男性に比べて自覚症状が強い傾向にあります。
梅毒
梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌の感染で発症します。性行為あるいは性行為に類似する行為によって、性器や口の粘膜や皮膚から感染します。その他、母体が梅毒に感染していれば、胎児に感染する可能性が高く、生後まもなく発症することを先天性梅毒といいます。
感染初期には、性器や口に痛みのない小さなできものやしこりができます。続いて手のひらや足の裏、体に赤い発疹(バラ疹)が現れます。このような症状は、痛みがないことに加えて、皮膚症状は治療を行わなくても一時的に自然に消えてしまうため、病院受診を逃してしまう可能性があり、治ったと勘違いして発見が遅れるケースもしばしばです。
治療をせずに放置すると全身の臓器や神経が侵され、重大な合併症を引き起こす可能性があります。梅毒の症状は一時的になくなることはありますが、自然治癒することはありません。症状がなくなったからといって病院受診を中断せずに、しっかりと治療を受けましょう。
トリコモナス腟炎
トリコモナス腟炎とは、トリコモナス原虫という小さな虫の寄生によって起こる腟炎です。
腟だけでなく、尿道、膀胱などにも感染が広がり、尿道炎や膀胱炎、外陰炎などを併発することもあります。
主な感染経路は性交渉で、局部の悪臭、膿性や泡沫状のおりもの、外陰部の痒み、ピリピリとした刺激感などがあり、感染後約3週間の潜伏期間を経て現れ、腟分泌物の検査で診断を行い、チニダゾールやメトロニダゾールの腟錠または内服薬で治療を行います。
HIV感染症
HIVウイルスに感染することで発症するのがHIV感染症です。
HIVは、免疫の働きを助ける役割のTリンパ球やマクロファージ(CD4陽性細胞)などに感染するウイルスで、これらの細胞に同ウイルスが増殖することでヒトの体の免疫力を低下させます。
やがて普段は感染しないはずの病原体にも感染しやすくなり、さまざまな病気を発症します。
このような状態になることをエイズと言います。
HIVウイルスは、性交渉でHIVを含んだ性分泌液(精液、膣分泌液)が、体の粘膜(口腔粘膜、直腸粘膜など)から吸収されることで感染します。
なお、性交渉による感染以外にも、血液感染、母子感染があります。
症状としては感染直後は風邪に似たような発熱や喉の痛みなどが現れることがあり、免疫力が落ちるとさまざまな感染症を起こします。血液検査で診断が可能であり、昨今では薬物治療が可能となっております。
検査方法 | 検査項目 | (A)9項目 | (B)13項目 | (E)4項目 | (H)6項目 |
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のど |
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尿 or 分泌物 |
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⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ |
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⚪︎ | ⚪︎ | / | ⚪︎ | |
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⚪︎ | ⚪︎ | / | ⚪︎ | |
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⚪︎ | ⚪︎ | / | / | |
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/ | ⚪︎ | / | / | |
料金 (消費税込) |
14,520円 | 21,780円 | 11,000円 | 9,680円 |
検査方法 | 検査項目 | 単体料金(消費税込) |
---|---|---|
のど |
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(D) 6,050円 |
尿 or 分泌物 |
|
(C) 6,050円 |
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(G) 6,600円 | |
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(F) 8,470円 | |
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6,050円 | |
血液 |
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7,700円 |
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4,400円 | |
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4,400円 |
※無症状の方は本料金表(自費治療)が適応されます。
※即日検査希望の場合は別途1項目3,300円(税込)追加となります。
(ただし、即日検査ができない項目もありますので、診察時にご確認ください。)
※のど・尿・分泌物の検査結果は2~3日後となります。
※単体検査に比べ、検査項目数の多いセット検査((A)、(B)、(E)、(H))がおすすめです。
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